JAZZの王様

渋がってんじゃねーよ

楽器の王様

楽器の王様といえば、昔からオルガンと決まっています。パイプオルガンの存在感は圧倒的です。ジャズの世界だっておんなじです。王様はハモンドオルガンです。"花形楽器" と言えばトランペットということになりますが、王様はいつだってハモンドオルガンでした。

ところが私のようにスイングジャーナル誌を毎月なめるように読んでいた世代にとって、オルガンミュージックは、いつも「自分から取りに行く」ことでしか手に入らない世界でした。スイングジャーナルを読んでいる限り、ジャズオルガンはジミー・スミスで止まってしまうからです。スイングジャーナルは、本当はオルガンジャズが嫌いだったんだと思います。日本のジャズ趣味の基本には「ジャズ喫茶文化」があるので、ジャズ喫茶の雰囲気にそぐわないオルガンジャズはどうしたってまともに聴く気にはならない。でもどうも黒人リスナーはオルガンが大好きらしいから、完全に無視することもできない。だから「アリバイ作り」のために、やたらジミー・スミスだけを持ち上げて、それで勘弁してもらおうとしてたんじゃないかと、私は勘繰ってます。

ジミー・スミスの "The Sermon" と "House Party" のカップリングCDが発売されたときなんかはゴールドディスクに選定してましたけど、あれなんかはブルーノートのオールスターセッションぽい作りで、録音が抜群によくて、リー・モーガンルー・ドナルドソンなんかのプレイが冴えまくってて、ジャズ的に非常に内容がよかったから安心してゴールドディスクにできた。でもそこから踏み込んで、たとえばいろんなオルガンプレイヤーを紹介して、オルガンジャズとは何かみたいな考察を展開することはついぞなかったし、60年代に入ってオルガンを入れたバンドを次々に組んでソウルジャズジャズファンクの方向に進んだルー・ドナルドソンについては無視を決め込んだ。私に言わせれば、自分にとって最高のミュージシャンを集めてブラックミュージックの王道を突き進んだルードナは、マイルスにもなんら劣るところがないミュージックメーカーだったです。

 

そろそろオルガンプレイヤーの棚卸しをしようかなと考えていたところです。

先に結論から言ってしまうと、私が好きなジャズオルガニストは、

1位:シャーリー・スコット
2位:ベイビー・フェイス・ウィレット
3位:ジョニー "ハモンド" スミス

です。そしてその背後に、ハモンドオルガンの王様ジャッキー・デイビスという高峰がそびえ立っているという感じです。

何が選定基準になっているかというと、「黒さ」と「訛り」と「粘り気」、そして何よりも「ハモンドオルガンという楽器の機能を十分に活かしているか」という点です。

この人たちについてはいずれ取り上げるとして、今日はジミー・マクグリフってなんであんなに軽くてカクテルピアノっぽいんだろうって考えていました。それで出自を探っていたら、ミルト・バックナーに師事してたことがあったのを知って、ああそれか!って思った。でも絶対マクグリフにも「汚れた過去」があるはずだから、さかのぼってみようと考えて、行き当たったのがこれでした。

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アルバム全体に聴きどころが満載でした。Google Play Musicとかではフルで聴けますが、冒頭の2曲をYouTubeから引っ張っときます。こんなものはレア・グルーヴ界隈ではとっくに知れているんでしょうけど、何事もノロい私はこうやって一歩ずつ納得します。

こんなに "汚い" オルガンが弾ける人だとは思わなかったです。

マクグリフで好きなアルバムは "The Worm" です。その中の "Keep Loose" とか、めっちゃカッコいいです。